http://www.mainichi-msn.co.jp/entertainment/cinema/cinecom/news/20060525org00m200141000c.html
「不条理を感じてもらえたら」 「46億年の恋」舞台あいさつ
(写真左から)三池監督、松田さん、安藤さん

 「ゼブラーマン」(03)、「着信アリ」(04)、「IZO」(04)、「妖怪大戦争」(05)、「WARU ワル」(06)、そして近く公開される「インプリント~ぼっけえ、きょうてい~」(05)と、すさまじい勢いで作品を作り続ける三池崇史監督の新作「46億年の恋」の完成披露試写会が、5月17日、東京都内の劇場でおこなわれ、上映に先立ち三池監督と主演の2人、松田龍平さんと安藤政信さんが舞台あいさつに立った。

 映画「46億年の恋」は、故梶原一騎氏とその実弟である真樹日佐夫氏共作のミステリー小説「少年Aえれじい」(著者名は正木亜都)を映画化したもので、奥多摩の少年院で起きた殺人事件を、警視庁特殊班の刑事が捜査していくという物語。

 実は、ナマ三池監督を見るのは初めての私。これまで見てきた数々の作品と、マスメディアで見かける“コワモテ”の表情から、失礼ながら随分と恐ろしい人物を想像しておりましたが、これが実に物腰の柔らかい、よく喋る方だったので驚きました。

原作との出会いは「運命」だと、照れながら語っていた三池監督(写真左)

 で、その監督が今作について語ったことをかいつまむと、次のようになります。

 「原作はシンプルで、男版『愛と誠』、『明日のジョー』のような話。そこには、甘ったるくいうと“希望”というものがあって、それを規制の枠にはめて表現するのではなく、感じるままに作りました」

 その本作で主演を務めたのが、監督いわく「いろんなヘンな監督とよく仕事をしている」松田さんと安藤さん。

 もともと、「自分の意志の力で流れを変えたくない」との思いから、出演をためらう俳優を説得してまで出てもらうのは好きではないという監督。最初は、2人が本当に出演してくれるのかと不安だったそうだが、結局は願いがかない、彼らをキャスティングできたことを素直に喜んでいるようだった。

「現場の雰囲気を楽しみながらやりました。それが映画に出ていると思います」と話す松田さん

 一方の松田さんと安藤さん。

 松田さんは、NAKA雅MURAさんによる台本を手にした時のことを「言葉の言い回しが独特で気に入りました。読めば読むほど完成された脚本だなあと思いました」と振り返り、長年監督のファンで、彼に「料理されたい」と思い続けてきた安藤さんは、「やっと願いがかないました」と、こちらも三池作品に出演できたことに心から満足している様子。

松田さんとはプライベートでも仲良さげな安藤さんは、「龍平とは(役について)話し合うことは一切なかった。彼のことを好きという気持ちだけで全然オッケーだった」

 また、撮影では、いきなりラストシーンからカメラを回されたり、突然泣いてくれと頼まれたりと、たくさんの無理難題を課せられたようだが、撮影場所となったボーリング場の地下の空気の悪さと、松田さんが釘を踏むというアクシデントに見舞われたことを除けば「いろんな人たちのアイデアを三池さんがひとまとめにし、そこへ身を投じただけだった」(松田さん)ので、演じるうえでの苦労はとりたてて感じなかったようだ。

 何はともあれ、松田さんが「見た人がそれぞれの気持ちを大切に家へ持ち帰ってくれたらうれしい」と言えば、三池監督は「追うべきストーリーが消失し、時間の流れも関係なく、映っているものをただ見つめていただいて、頭だけ宇宙に飛んでいって、身体はそこに残っているという不条理を感じてもらえたら」と話す本作。いったいどんな映画なんだろうと期待と不安が半々のわれわれを残し、3人はそそくさと舞台から立ち去ったのだった。(文・写真/りんたいこ)

【作品データ】

「46億年の恋」

8月、シネマート六本木ほか全国順次公開

監督:三池崇史「妖怪大戦争」「殺し屋1」

出演:松田龍平、安藤政信、窪塚俊介、遠藤憲一、石橋蓮司、石橋凌

2006年/日本/84分/エスピーオー配給

公式ホームページ
http://www.cinemart.co.jp/46

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