http://www.nishinippon.co.jp/banaten/get2004/040714/040714.html                                                     温度を高めてくれる映画だと
 
 映画を中心に活動し、本当に気に入った役しか演じない―。個性派俳優の安藤政信さんをGET! 話題の映画「69sixtynine」に対する思い、言葉の端々ににじむ演技への真摯(しんし)な姿勢。そしてユーモア。現場は、思いも寄らぬ爆笑の連続。同行カメラマンも魅了されたインタビューをどうぞ。

―なぜこの映画に出ようと?

安藤:昨年、結構落ち込んでいることが多くて。ニュースを見ても、温度の低いことばかり目にして、耳にしていたときに、気持ちよく笑って吹き飛ばせる映画があればなって思って。幾つか台本を読んでて、僕、結構、台本を読んで「いいな」と思ったら「やりたい」って思うタイプなんですけど、暗い台本ばっかなんですよね。で、69が来て、読んだときに本当にすごく気持ちよく笑えて。

―映画の舞台は佐世保。「なまりがきつい」という役どころ。方言について苦労は?

安藤:最初聞いたとき、「できないんじゃないかな」というのが正直ありました(笑)。妻夫木とずっと九州弁でしゃべってたら、逆に標準語を忘れるくらい、もう抜けないくらい。メール交換も方言でね。「よかやっか」とか(笑)。

―ハードな撮影日程。夜は夜で盛り上がった?

安藤:焼き肉屋ですね。撮影とホテルの繰り返しで毎日が過ぎ去っていく中で、唯一の僕たちの娯楽で(笑)。みんなで話し合った場所です。

―佐世保の人たちに対して。

安藤:映画って、撮影できる場所がないと作れないじゃないですか。地域の人たちがすごく協力的で。ありがたくて。映画が完成したら、佐世保には「きちっとあいさつしに帰りたい」って、最初のころからみんなで話していたんです。

―映画中心に活動している理由は?

安藤:僕のスタートは武さんとの「キッズ・リターン」だったんですけれども、それを大事にしたい意味がありまして。僕はバラエティーも出ないし。舞台、ドラマよりは、やっぱり映画だなぁと。

―いつごろから俳優になりたいと?

安藤:「キッズ・リターン」が終わって「キッズ・リターン」を見たときに。

―九州で好きな場所は?

安藤:屋久島。緑の中に囲まれているのが1番のぜいたくだと思っているんですよ。1本仕事を終えるといつも緑に囲まれて、たまったものを浄化して、仕事を始めるのが恒例になっていて。屋久島にも何度か。逆に聞きますけど、九州で好きな場所はどこですか?

―(突然の質問に)そうですねぇ。

安藤:(間髪入れず)難しい質問するなよ(笑)。オレ地元じゃないんだから(爆笑)。

―撃ちーーん! 1本取られましたっ(汗)。

安藤:(笑)九州ってうまいものがあふれていますよね。魚も肉も。僕、馬肉から牛肉、豚、鳥まで全部好きなんですよ、肉類。どこに行っても、熊本行っても、鹿児島も。宮崎も地鶏うまいしね。

―よくご存じ(笑)。最後にメッセージを。

安藤:今、テレビを見てても、本当に低い温度の中で僕たちは生きてるなと思って。その温度を少しでもね、高めてくれる映画だと思っているんですよ。僕も温度の低い時期にこの台本をいただいて、ぜひとも高い温度の中でやりたいなと思ったし。見た人にもその熱気を伝えてあげたいと思ったので。少しでも、その温度を分かち合える映画にしたいと思うし、それを分けて、みんなが助け合うっていうか、そういう映画にしてもらいたいなっていうのがありますね。 (亜)

     ◇

 ●プロフィル
 あんどう・まさのぶ 1975年5月19日生まれ。神奈川県出身。北野武監督に見いだされ96年、映画「キッズ・リターン」で主演デビュー。映画を中心に活動。「バトル・ロワイアル」(2000年)「サトラレ」(01年)「REDSHADOW~赤影」(同)など。短編集「SFShortFilms」には、初監督作品「アダージェット」が含まれている。映画「69 sixtynine」(東映系、公開中)は、村上龍の自伝的小説を、脚本・宮藤官九郎、監督・李相日で実現した話題作。主人公ケン(妻夫木聡)の仲間「アダマ」役で存在感を示す。映画「シンクロニシティ」「孤独へのくちづけ」の公開も控えている。

04.07.14掲載
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