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「女性が多い現場はシリコンの中に落ちた感じ(笑)」(安藤政信)

 女性から、「共感できる」と絶大な支持を得ている漫画家・魚喃キリコの同名コミック「ストロベリーショートケイクス」が映画化される。しかもメガホンをとるのは、「三月のライオン」(’91)で国内外から高く評価された矢崎仁司監督。監督を務めるのは前作の「花を摘む少女と虫を殺す少女」(2000)から、なんと5年ぶりとなる。この撮影が、2005年の春先に東京近郊で行われた。原作のファンでもある筆者は、高まる好奇心にかられ、撮影現場に向かった。

 原作は、OL、フリーター、イラストレーター、ホテトル嬢の4人の女性の日常を、仕事、恋愛、友情を通してリアルに描き、それぞれの持つ悩みや葛藤を丁寧に捉えた作品である。今回、主役の女性たちを、「ジョゼと虎と魚たち」(2003)の池脇千鶴、NHKテレビ「こころ」(2003)で注目を集めた中越典子、「血と骨」(2004)の中村優子が演じ、安藤政信、加瀬亮の若手実力派俳優のふたりが脇をかためる。

 この日は、中村優子演じるホテトル嬢の秋代が、密かに思いを寄せる安藤演じる菊池を自転車の後ろに乗せて居酒屋から帰るシーンを、静かな住宅街の一画で撮影。シルクハットを被り、スーツに身を包んだ矢崎監督が安藤、中村と談笑をしている。3月とは思えないほど冷え込んだ夜だったが、設定が夏の終わりから秋にかけてということで、安藤、中村とも半そでTシャツという何とも寒そうな衣装で撮影に臨んでいた。安藤は、寒さも気にならないといった様子で、やんちゃな子どものように動きながら監督の話を聞いている。中村もリラックスした様子だ。
 矢崎監督と安藤、中村が簡単に段取りを確認し、リハーサル。さっきまでの和やかな雰囲気が、一気にピリッと引き締まる。自転車にふたり乗りをして向かってくるふたり。分かれ道で、安藤が中村からトマトを受け取り「じゃあ、また!」と軽快に走り去っていく後ろ姿を、中村が愛しいそうな切なそうな何とも複雑な表情で見送る。このトマトは、秋代が菊池に会いたいがために、「実家から送られてきた」と嘘を言い、実はスーパーで買ったものである。
 何度かリハーサルを行った後、いざ本番。リハーサルの時とはまた違い、空気の濃度がより濃くなった気がする空間のなか、気がつくと「カット!」の声がかかるまで息を止めている自分がいた。

  この日が撮影最後となる、安藤政信が撮影終了後に取材に応じてくれた。女性の美しい部分や、醜い部分までリアルに描かれているこの作品を、男性の安藤はどう感じたのだろうか。
 「女性ならではの視点なので、わからない部分もありました。最後に菊池が泣くシーンがあるんですが、なぜ泣くのかが、監督と話しても撮影直前までわからなかったんです。でも、いざ撮影となったとたん、自然に涙がでてきました。これまで男くさい現場ばっかりだったんで、女性が多い現場はシリコンの中に落ちた感じ(笑)。たくましさと優しさに包まれているような気分ですね」
 初共演の中村については
 「最初はお互い人見知りしていたんですが、撮影前に居酒屋でテストをしているうちに徐々に打ち解けていきました。今回は、秋代を光らせないとダメだから、中村さんに一番輝いてもらえるように演じました」と語った。

 地味な格好の役ということで、ほぼノーメイクにちかい(それでもすごく綺麗!)中村優子。秋代という繊細な役どころを微妙な表情で見事に演じていた。
 「これは不器用で、すごく繊細な女の子4人の関係を描いているのですが、どの女性も素敵でスイート。矢崎監督は、10やろうと思ったら10.5やらせてくれる監督。撮影中、監督はモニターではなくて、私たちを撮っているカメラのすぐ横で演技をじっと見ているんです。最初はとまどったんですが、そのオーラがよかったみたい(笑)」
 彼女の言うとおり、矢崎監督は常に役者の近くにいて、演技中もすぐ真横でじっと役者を見ていた。それは、演技をチェックしているというより、役者と一緒になって演技の中に入っていっているように感じられた。

 撮影は春にクランクアップし、すでに完成しているとのこと。公開は来春の予定。女性ならではの視点で描かれた4人の愛すべき女性たちが、矢崎監督によってどのように映し出すのか楽しみでならない本作。女性だけでなく、男性諸君にもぜひ観てもらいたい!

(取材・文/MovieWalker編集部・石崎美智)
  這部電影從漫畫來的,台灣有出這本.裡頭的主角都是女性,所以安藤的戲份會很少....
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