超満員の観客を乗せて出航!「亡国のイージス」封切り
見えた! 興収50億円-。この夏話題の海洋アクション大作「亡国のイージス」(阪本順治監督)が30日、全国277館で封切られた。各地で立ち見が続出し、この日まで公開された今年の邦画No.1となる興行収入50億円に向けて好スタートを切った。東京・有楽町の丸の内ピカデリー1で舞台あいさつした主演の真田広之(44)は「大ヒットへ向けて漕ぎ続けたい」と力強く宣言した。〔写真:後部席までびっしり埋まった超満員の観客に満面の笑顔を見せた(左から)阪本順治監督、寺尾聰、中井貴一、真田広之、佐藤浩市、勝地涼、原作者の福井晴敏さん=東京・有楽町=撮影・小松洋〕
イージスの出航に全国の映画ファンの熱い視線が注がれた。
真田ら主要キャストが舞台あいさつした丸の内ピカデリー1、吉田栄作(36)らサブキャストが駆けつけた大阪・梅田ピカデリー、名古屋ピカデリーをはじめ、この日封切られた全国277館の劇場には、老若男女の幅広い層の観客が詰めかけ、満員、立ち見のロケットスタート。作家、福井晴敏さん(36)の長編ベストセラー小説を2時間7分にまとめた濃密な人間ドラマとハリウッドばりのアクションに、「もう一度見たい」という声が続出した。
初日の盛況ぶりに、配給元の日本ヘラルド映画と松竹は、「興収50億円が見込めるスタートだ。今年の日本映画ではNo.1ヒットになる」と自信満々。今年公開されたこれまでの日本映画の興収トップは、「踊る大捜査線」シリーズの番外編で、ユースケ・サンタマリア(34)が主演する「交渉人 真下正義」(本広克行監督、5月7日公開)の約41億円ですでに射程圏内に入った。さらに、今月9日に公開された超大作「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」(ジョージ・ルーカス監督)は、29日現在約55億円。イージスは巨艦の背中をとらえている。
この日、超満員の約800人の観客席をうれしそうにながめ回し、手を振り、深々とお辞儀した真田は「ついに“イージスの夏”がやってきました。思いは作品にすべて詰めました」と声を上ずらせてあいさつ。「きょうからこのイージスのクルーの一員として、大ヒットという岸と世界平和という岸にたどりつけるよう漕ぎ続けていきたい。イージスか?」とおやじギャグで客席に呼びかけ、観客から笑い声と、温かな拍手が沸き起こった。
★吉田、安藤、谷原が大阪と名古屋に参上
メーンキャストと別れ、大阪市北区の梅田ピカデリーには吉田=写真中央、安藤政信(30)=同左、谷原章介(33)=同右=が登場した。この日まで青森から沖縄まで12府県をキャンペーン行脚した吉田は「どこでも温かく迎えてくれた」と笑顔で感謝。安藤は「昨夜は一睡もできなかった」と緊張気味で、谷原は「どのシーンも素晴らしい」と自信たっぷりにPRした。3人はその後、梅田ブルク7、名古屋ピカデリーでも舞台あいさつ。東京で舞台あいさつを終えた勝地涼(18)も名古屋で合流し約600人のファンを喜ばせた。
★記念撮影も大盛況!
丸の内ピカデリー1では上映後、映画の看板や展示されている海上自衛隊の制服の前で記念撮影をする姿が目立った。都内在住の会社員、土幸妙子さん(29)は「今まで見た邦画のなかで一番のスケールだった。恋愛が絡む映画が多いなか、純粋に男の世界が描かれていて、女性が知らない世界だから逆に面白かった」。静岡市から来た会社員の大塚哲也(59)さんは「CMにひかれて約20年ぶりに映画館に来ました。大人が見れる映画がなかなかないなか、考えさせられることが多かった。今度は子供と見に来ます」と満足げだった。
|